ハヤテのごとく!お嬢様プロデュース大作戦 ボク色にそまれっ!

略して「おじょボク」。
プレイヤーは新米執事となり、仕えているお嬢様を立派なお嬢様として育成していく、結構真っ当なシミュレーションゲーム

選択肢を選べばゴールにたどり着くことが出来た、いわゆる紙芝居ゲーだった前作と比べて、ランダム要素も増えたため「ゲームらしい」ゲームに仕上がっている。「育成→コンテスト→育成→コンテスト」という流れでゲームが進行するため、一見すると単調に見えるかも。
ところどころでアイドルマスターを意識しているように見られるゲーム内容だが、自分にとっては「実況パワフルプロ野球」シリーズのサクセスモードに近い印象を受けた。コナミだけにそう思うのかな。

定められた期間で、お嬢様を育成してパラメータを上昇させていき、定期的に行われるコンテストで結果を残していく。
それ以上の目的も存在しないようで、前作ほどキャラゲーとしては当たりとは思えない。

が、定期的に行われる「お嬢様コンテスト」はなかなか面白い。
お嬢様コンテストとは、他のお嬢様と「お嬢様としての格」を競い合うガチ勝負。
週に1度開催され、日々の鍛錬の成果をそこで披露し、お嬢様としての成長ぶりを確かめる。

幾千幾万と出現する観客を、お嬢様の魅力をもって虜にし、より多くのファンを獲得したものが勝利するという、とてもお嬢様云々とは関連性がないように思えるが、そのようにして勝敗は決まる。

ツンデレ系が大好きな観客には「ツンデレチックなアピール」、クール系が大好きな観客には「クールな感じのアピール」、といった具合に、その場にいる観客の属性に応じてより効果的なアピールをした者が勝者となる。
育成内容やキャラの個性によっても能力値は変化するようで、例えばナギなら「ツンデレ系アピール」が得意だが、ヒナギクなら「クール系アピール」が得意、というように育成方針やキャラに応じて得意技も変わってくる。この個体差を利用すればコンテストも有利に進めることが可能。逆に不利になることもあるが。

これら得意技や、キャラ固有の必殺技、レンタルで購入できる必殺技、などを駆使して、観客をもぎ取りにかかる。
自信をもって得意技で攻めるもよし、相手の得意技と真っ向からぶつかり合うのもよし、真っ向勝負を回避するもよし、ここぞという場面では必殺技を使用するのもよし、考えられる方法で好きに観客をぶんどっていけば良い。また読み合いも重要だ。対戦相手の動きを予想して上手く立ち回っていけば、能力値で劣っていても予想以上の戦果が期待出来るかもしれない。

とにもかくにもコンテストがなかなか面白い。そんなゲーム。
未だ見る限り荒削りな部分は大きいけども、意外と真っ当にシミュレーションしている。
コンピュータ戦だとどうしても運ゲーになってしまうが、対人戦だとまた面白くなるかもしれないよ。

ただなー、これ以外の要素については微妙だったな。
ファンはこういうゲーム期待してたのかなー、って感じで、キャラゲーとしては中途半端かなーと思ったりした。
2.5次元とでもいうのか、3Dで表現されたキャラクターは違和感無くて実際可愛いんだけど、モーションはほとんど使いまわしだし、無理して3Dで表現する必要はあったのかな、と。

身体にタッチも出来るんだが(いやらしい気持ちはこれっぽっちもないよ!)、リアクションが少なすぎてこれも楽しくない。すぐ飽きる。会話イベントも少なすぎる。
とても親睦が深まってる感じはしないんだな。数値的にはそうなっていくんだけど、過程として足りないものが多すぎるというか。

なんというか、良くわからんうちに好意よせられても俺はなんも嬉しくないんだよ!

こう、俺はさー!「頭なでなで」がしたいだけなんだよ!
「えへへー」とか、「プロデューサーに褒められちゃいましたー」とか、そういうのが欲しいんだよ!
って、それじゃアイマスやってれば良いよってことになるな。

「頭なでなで」すらさせてくれない2.5次元なんて!