ムービーゲーと思う無かれ、良いRPGじゃんこれ

ゼノサーガEpisodeIIIを開始
なんじゃこりゃおもしれー。というのが第一の感想。

語句解説がなかなか凝っててこれ読むだけでも結構暇つぶしできそうなもんですが、それ以外ゲーム部分も今回はなかなか秀逸だと思うんですね。
序盤、気になったというか気に入ったところをいくつか。


1.メニュー回りが快適
ワンボタンで装備やアイテムなどメニュー切り替えができるあたり、洗練されてるなーという印象です。これはエピIの頃から伝統的にあったシステムみたいなんですけど、未だにRPGとかでも一発切り替えができないゲームとかありますからねー。
当然のようにワンボタン切り替えを実装してくれているこのシリーズはさすがだなあと感心しているところ。
△ボタン一つでメニューを一括閉じできるのも非常に助かります。

ただ、UI的にはエピIIと同じくボタンの反応が若干鈍いようにも思えるので、物足りないところが無いわけでもなかったり。


2.解説丁寧すぎ
チュートリアルのタイミングとか絶妙すぎて素敵。
細かい部分はデータベースや説明書でプレイヤーに任意で確認させれば良いと割り切り、必要最低限のことを、必要に応じて丁寧にしかし超簡潔に教えてくれる、あぁ素晴らしいじゃないこれ。
シリーズで最もレベルデザイン秀逸なんじゃないですか。
物語の序盤、2時間以内で必要なことをほとんど網羅してくれて、さらにそれを試す機会もその2時間に十分すぎるぐらい詰め込んでくれている。

長い説明は読まなくて良い、そもそも実践しなくてもどうにかなる。
拘束時間をほとんど感じないチュートリアルじゃないかと思います。

2時間は冷静に見ればかなり長い時間だけども、元々がストーリー重視のムービーゲーだったこのシリーズを思えば恐ろしいほどのテンポ向上に繋がっています。
エピIIの、見るからにややこしい戦闘からの反省がいかされているんだろうなぁ。

あと、コンテニューしたときに「あらすじ」はもちろん、「現在の目的」も加えて説明というか指示してくれるのはいくらなんでも親切すぎだろと思いつつも、しかし俺みたいな積みゲーマーとして非常に助かるのでこれもまた嬉しい新要素だなと。


3.RPGの基本
RPGって、「探索」「収集」「強化」こそが根幹であり、それ以外にはぶっちゃけ何も必要じゃないんじゃないか、って思うことが良くあるんですよね。
壮大なストーリーだって、魅力的なキャラクターだって、高い難易度だって、全ては探索収集強化という3つの要素を面白くするためのスパイスでしかないわけで。
あればより良いけれど、なくてもどーにかなるもんじゃないかと。

RPGにこう映像作品的な面白さばかりを求める人はそもそもRPG好きじゃないと思ってます。戦闘邪魔とか移動ウザいとか、気持ちはわかるがそれは移動や戦闘という要素がダメだからじゃなくて、ソフトがクソなのかプレイヤーの感性がRPG向きじゃないかのどちらかでしかないわけで。そんなところに文句つける人は映画とかアニメとか、純粋な映像作品でも見てりゃ良い。
また同時にこの辺がしっかり作りこまれていないRPGを私は良いRPGとは思いません。

で、今回話題にしているエピIIIですが。
前二作以上にこの辺がしっかりしてるなあという印象なんですよね。隠し通路はばんばん見つかるし、アイテムもばんばん手に入る。IIで削除された貨幣システムも復活して、より収集に面白味が出てきたように思います。

スキルシステムや装備回りのシステムもエピIに近い形となっているようですが、IIよりIの方がその辺は良くできていたと思うのでこれも楽しみ。


4.E.S.!E.S.!
どこの良作ロボットアクションゲームですか、どこの良作ロボットCGアニメですか。
といわんばかりにもー動く動く、ムービーはムービーで物凄い変態的な動きを見せてくれますが、戦闘時のそれもシリーズ最高峰じゃないですかねこれ。
というか、これまでのは全体的にあっさりだったよなぁ、かつてのゼノギアスを思うと、ゼノサーガってロボット戦闘の味気無さが特に気がかりだったシリーズだったんですが、いやー何皮剥けたんですかねもー、凄いね。

あと、E.S.は戦闘システムも今回は良い感じですね。
これまたどことなーくゼノギアスを意識しているような、エネルギーシステムとか、必殺技のゲージ溜めとか、ねぇ。良いじゃねっすか良いじゃねっすか(ニヤニヤ
連携も発生条件がランダムながら燃えるものがあるねー!
そこに変なテクニックを要求しないのはナイスだ。

複雑な戦闘でプレイヤーを悩ませたIIから一転、シンプルさで攻めてくるこのIIIにはやられました。まあまだ序盤の序盤なので、テンポがどう変わるのかわからんですが。

しかしこれ序盤プレイだけで十分虜になれるもんがあるなぁ。
多分俺は今開発者の手の平の上で踊っているのだろうが、エンターテインメントなんてそれで良いわけだから、もー満足さ。ここで満足しちゃいけないがな。




丁寧なつくりが非常に好感を持てるゲームだなあと思います。

ゼノサーガっつうと、PS2時代のRPGにおけるムービーゲーの代表格的扱いを受けることも多くあるシリーズで、実際そうなんですけど、今回はムービーっぽいムービーは比較的少なめかもしれません。
会話のほぼ8割がムービーで進行したIやIIとは異なり、IIIも基本フルボイスながら○を連打すればボイスを聞き終える前にポンポン読み進めていくことが出来て、実に快適。

ムービースキップすりゃ良い、とかそういう話じゃないからなぁ。
やっぱりストーリーは理解しようと思えなきゃ。上でも言ったけどこれも立派なスパイスなので、理解できないまま先に進んでも100%ゲームを楽しむことにはつながらないわけですからね。
「俺はストーリー飛ばすぜハッハッハー」なんて人はそれはそれでどうかと思うのよ。
何事も重要なのは、楽しむ心だよね。


しかし、このゲームももう2年前のゲームなんですよねー。
据え置きハードの世代も変わりつつある昨今では、このレベルのゲームやらせても今更感はあるかもしれんです。
すっげークオリティ高くて思わぬ良作臭に驚いてるんですけど、しかし良くも悪くも「PS2にしては」完成度が高いレベルです。

オブリビオンのようなフリーローミングなタイプのRPGも出てきたというのに、フロア間移動にいちいちロードが入ったり、見えない壁に拒まれて先の世界へ進めなかったりと、やはり前時代感は感じちゃうところ。

それをぶち壊そうと頑張ったのがかつてのFF12だったわけだけど、あっちはあっちで個人的に重要だと思っている探索要素があんまりなー。苦労して手に入れた宝箱にありがたみが無さすぎたのがどーも寂しかった。
つか、復活する宝箱なんて宝じゃねー(そもそも箱でもないが)。そんなもの手に入れてもなんも面白くねー。

RPGについてはいろいろ思うところはあるので、今年来年とそろそろで次世代を意識した日本産の本気RPGが見たいところですね。
ってなんか話逸れたけどとりあえずこのエピIIIは今のところむっちゃ面白いので是非とも最後まで楽しみたいものです。