風ノ旅ビト
圧巻。
もう今年のGOTYはこのゲームでいいでしょう。
Floweryもそうだったが、まあ、ずるい!
これだけ芸術点高いゲーム出されたら上も下も無い。
これ以上に印象を残せる、「ザ・今年のゲーム」なんてのはありえない。
なんとなくパッとしなかった今年のゲームライフにおいて、ようやく心に残る一本を見つけました。
Floweryを製作したスタジオの新作、風ノ旅ビト。原題は「Journey」。
その名の通り、旅人があてもなく旅をしていくゲーム。いや、もしかするとあてはあるのかもしれない。しかしそれはプレイヤーにはわからない。
旅人(プレイヤー)は徒歩でフィールドを歩き、謎を解決しつつ道無き道を進んでいく。
途中、その辺に落ちている布切れに触れることでスカーフに光が灯り、一定時間宙に浮くことができるようになる。これにより、高い場所へ登ったり、徒歩より素早い移動が可能になる。
謎ははっきり言って陳腐なものばかりで、特に悩むような仕掛けはない。
アクション的にも難しい操作は必要なく、誰でも2〜3時間あればクリアできてしまうゲームだ。
このゲーム最大の特徴はオンライン機能。
旅をしていると自分以外のプレイヤーと出会うことがある。
相手も同じ場所を攻略しているため、協力プレイを進めることになるわけだが、互いの意思疎通に言葉は使えない。相手を識別するタグさえわからない。
名も無き旅人以上の存在ではないのだが、NPCではない。
確かにそこに人がいて、等しく旅ができる。
言葉は交わせないが、唯一、○ボタンによる合図を送ることができる。
終わってみれば、これだけあれば十分だった。たった一つの言語があれば、十分。
旅先での旅人同士の出会い。実際に遭遇してみると、感動的だ。
旅人同士が身を寄せ合うとスカーフが光る。上述のようにスカーフの光は旅人のパワーそのもの。
人と触れ合うことで湧き出る力を、ゲームシステムとして見事に再現したところにはもう感服するしかない。
Floweryと同じく、とにかく芸術的なゲーム。
美しい。美しすぎる。
ゲームに言葉はいらない。