ビビッドレッド・オペレーション

 結局のところ、ビビッドレッド・オペレーションとはなんだったのか。
 一つ一つやりたかったことは伝わるし、全体的に漂う戦隊物特撮の空気とか、個人的にはかなり好みだったし、中盤ぐらいまでは楽しく見ることができた。
 しかし終盤の展開はやりすぎたね…
 いくら1クールとはいえ、これだけキャラクター数抑えてチグハグなストーリーにしてしまったのは勿体無い。一つ一つ、じっくり考えれば特に違和感なく理解できる展開なんだが、アニメーションとしてはどう考えても失敗だ。脚本ばかりが責められるが、監督にも問題はあったことだろう。
 また、いちいちキャラクターの話す言葉がテンプレをなぞったようなもので、その言葉をこちらの感情移入が追いつく前に放つものだから全くついていけないし興ざめだった。
 戦隊は1年間50話じっくりやるから成り立つんであってな…
 あとはドッキングの必要性とか、薄すぎて見えてこないテーマとか、不満は多い。
 しかし高村監督の良さもまた随所に光っており、中でもビビッドアングルは発明と言ってもいいだろう。スト魔女でも同系統のアングルはあったものの、このビビッドレッド・オペレーションで一つ完成形を見たような気がする。
 評判こそあまりよくないが6話あたりのノリで最後まで突っ切ればここまで残念な気持ちにもならなかったのでは?と思うところ。


 なんだか巷では、全体的なチグハグ感が声優叩きまで波及していた気がするけど、個人的には声優は特に悪いと思わなかった。大坪由佳の戦闘時の掛け声だけはやや気になったものの、今までの場数を思うと上出来な方ではないか。
 むしろ今期アニメはビビオペ声優の躍進を垣間見たところで、特にひまわり役の内田彩は毛色の違うキャラクターをアニメごとに見事に演じ分けていて、ああ、出てきたな凄いのが、と感心するしかなかった。スト魔女劇場版の服部静夏ちゃんと同じ声優だったことに気付くのも時間がかかった。
 まとめると内田彩いいね!ってことで一つ。