サウンドシェイプ

 とりあえず最初から用意されているコースを普通にクリア。
 まだデスモードとかあるらしいけどなんだか別ゲーぽいのでパス。

 配置された地形が音を奏でる2Dアクションゲーム。
 プレイヤーは得体のしれない球体のキャラクターを操作する。
 このキャラは"ひっつきもっつき"のように、壁でもどこでもくっつけるのが特徴で、これを駆使してステージを進めていくのがゲームの流れ。ちなみにダッシュ中はくっつき能力が無くなる。
 赤い色のオブジェクトに当たると死んでしまうが、死んでもすぐにチェックポイントから復活可能。

 ステージに散らばった玉を回収すると一つの音となり、回収した玉によって異なる音色が生まれ、それぞれの音色が調和してBGMとなる。初めは無音だったBGMも、ステージをクリアする頃には完成された一つの音楽になっている…そんな流れ。
 リズムアクションとはまた違った角度からゲームと音楽を結びつけにきたこの発想は悪くない。
 が、悲しいことに、曲自体がなんだか微妙というか印象に残らないというか…
 いや、ちゃんと聞けば耳に残ったのかもしれないが、結局完成された音楽はステージ内の玉をすべて集めた、ステージ終盤でしか聞けない。つまり終始不完全な音楽を聞かされるわけで、それはけして心地よいものではない。


 アクションゲームとしてもなんとなくパッとしない出来で、常に淡々と進んでいく感じ。
 死んだところで大きなペナルティも無いので、ただただ無感情に無表情に指を動かしていた。なんだかあまり楽しいものじゃなかったな。そんなにつまらなくもないんだけど…

 アクションゲームとしてはとても微妙だったが、しかしこのゲームはただのアクションゲームではない。
 このゲームのメインコンテンツは間違いなくステージエディットだ。
 ステージエディットでは、配置した玉の高さがそのまま音程になる。この仕組みを利用して玉を配置して音楽を作りつつ、かつ音楽を起点にアクションステージを作って、オンラインで共有できる。
 エディットを楽しめる人間にとってはかなり楽しいエディットモードなのではないか。
 残念ながら自分は特に音楽を作りたいとは思わないのでのめり込むことはなかったが、この一点に関してはかなりの力の入れようを感じる。
 背面タッチパッドもアシストに徹していていいね。案外使いやすい。

 あともう一点、アクション面だけど、移動床上でジャンプしたときに慣性がつく仕様に新鮮さを感じた。
 いろいろ試してみると慣性というより移動床の速度だか加速度だかがそのままプレイヤーキャラに乗っただけっぽかったが、この手の2Dアクションにしては珍しい挙動。
 これはむしろ操作性として悪い方向で効果を発揮してしまっているんだけど、突き詰めてきちんと慣性を表現してたらもう少し面白いものになったかもなあ。なんとなく中途半端に味わいのある操作性だった。自分は嫌いじゃない。


 全体的にしょっぱい雰囲気ただようゲームだが、ところどころ光るものはあるので、気になった人は安売りとかされたときにでも買ってみるといい。


 ところで、"ひっつきもっつき"って方言なのね…
 "すいばり"なんかもそうだけど、こういう小さい頃から使い慣れてきた名詞が人に通じなかった時のやるせなさは半端ない。
 西日本に帰りたいです(泣)