変態王子と笑わない猫。
大正義小豆梓。
最近は地味な設定のラノベが流行っている感ありだが、この変猫もそういった路線を走っていた。タイトルにもある笑わない猫だけがイレギュラーな存在であり、あとはまあよくある日常系の設定に思春期特有の現象が重なっただけではあった。
がしかし、笑わない猫の存在で変化を起こす世界観や登場人物からは、なんというか生きたリアクションを感じたし、一つ一つの仕草や行動が丁寧に描写されていた。
特筆すべきはヒロインの一人、筒隠月子の感情表現。無表情を維持しつつも身体のジェスチャーで喜怒哀楽が巧みに表現されており、作画技術・演出技術においては右に出るものがないこだわりを感じた。崩れた作画もほとんど無かったし、素晴らしかった。表情有Verと対比したEDも最高。
お話もそれほど嫌味の無い物語で、強いていうなら主人公の横寺君が好意を寄せてくるヒロインに対して思わせぶりな回答をしすぎるところぐらいだろうか。ちょっとハーレム建設に余念がなさ過ぎますね…
原作が完結していないため、完全にスッキリした終わり方では無かったし、回想頼みな伏線回収は惜しい感が残る(最終話付近は厳密には回想ではないが)。
それでも小さく美味しくまとまったストーリーであった。
特にヒロイン達はどれもこれも粒ぞろいで、中でも小豆梓の大正義ぶりには心奪われた視聴者も多いことだろう。
自分も例外なくそのうちの一人だった。外見が可愛い。小動物っぽい仕草が可愛い。声が可愛い。動揺すると噛みまくって可愛い。何かある度いちいち動物に例えるのが可愛い。
究極生物なんだよなあ…
視聴者的には醜い豚のようにブヒブヒ鳴く以上にすることのないアニメでもあったが、それでいいのだなとも。
はー小豆梓可愛い。願わくば小豆梓とまた出会えますように。