銀河機攻隊マジェスティックプリンス

 終わってみれば特に話題もない、どこかで見たような異星人が侵略してくるロボットアニメなんだけど、そういうのが今まさに求められているわけでうまいことニーズに応えたアニメだったなと。
 大きな捻りは無いもののその分突拍子な展開も無く、全体的なコメディ調のノリもあって最後まで安心して見ていられるロボットアニメだった。ラグランジェなんかのノリにやや近いかもしれない。
 戦闘シーンのこだわりはなかなかのもので、だいたい毎話戦闘があったがどれもシチュエーションが差別化されていて毎回楽しめた。ロボットというよりも超人アクション気味なシーンが後半増えてきたのが気になったがそこは許容範囲。個人的には都市学園攻防戦の戦闘シーンがお気に入り。


 続編を見越しているのか、24話あった割にはキャラクターの掘り下げがゆったりした感じだったかな。その分メカニック等裏方にもしっかりスポットが当たっているのは好印象だったけど。でももう少し個性強くても良かったかなと。人工的に生み出された子供らしい個性の乏しさと見て取れば満足なんだけど、なんかもう一歩欲しいところでもあった。
 ただその特性自体が功を奏しているのか、キャラの設定よりも心情描写に長けたアニメといった感じで、全体的に丁寧な造りには好感を持てた。敵味方共に行動原理がシンプルで、気付けば勝手にキャラクターが動きまわっていた感じにも見えたな。物足りないのは、コテコテのアニメアニメしたものを見過ぎているせいかもしれんね。


 そういえば主人公のイズル役は、かの侍戦隊シンケンジャーでシンケンブルー役だった相葉裕樹君でしたが、いやあ上手いもんだなあ。さすがは役者といったところで、キャストから調べるまで全然わかんなかったですよ。
 俳優にせよ声優にせよ、何かあるたびにゴリ押しだなんだと色眼鏡で見られる業界だけど、これだけ技術があれば皆黙らせられるんだからね、頑張って欲しいですね。
 別に声優にこだわる必要もないんだけど、与えられた仕事をしっかりこなしている姿を見るとこちらも嬉しくなります。
 そういう意味では特別なアニメだったなあ。