たまゆら 〜もあぐれっしぶ〜

 捻りのないやつで頼む。
 終わってしまうのが悲しくて最終回だけ未視聴だったが先ほど視聴して完走。
 一期、OVAと見てきたが二期となるこのもあぐれっしぶも大変素晴らしかった。
 毎話鼻水と涙を垂れ流していた。


 二期は楓ちゃんの写真部創部を中心に話が回りつつ、やはり常にバックには死んだお父さんがいる。
 視聴前はさすがにもうお父さんの話は引き出し無いんじゃないか?ネタ切れじゃないか?と懸念していたもののそれは全くの杞憂となった。
 見渡してみると二期はお父さんの交友関係が軸になっていたのかな。新登場のかなえ先輩とか、お父さんの交友関係と対比して楓ちゃんのこれからの出会いを予感させる構成とか、どこまでもそつなく粗なく組み上げたこのスタッフの手腕や恐るべし。
 作画面でこそややパワーダウンしていたものの、相変わらず瀬戸内の風景は絶品。手を抜いてはいけないところで手を抜かないのがプロの仕事ですな。


 一期やOVAから見てあらゆるキャラクターが一歩一歩前へ進んでいる感じもまたいいですね。写真家として足踏みしていた新キャラのかなえ先輩も例外ではなく。
 しかし本当にかなえ先輩、かなりの強キャラだった。
 そういえば一般的に先輩キャラって、あまり情けない感じで描写されることが無いけど(あってもどこか抜けてる、程度のものか単なるギャグ要員だけど)、かなえ先輩は別格なぐらい情けなくて、でもだからこそ写真部で過ごす最後の1年間の重みを感じるものがあった。
 お話としてはお父さんの高校時代の友達が訪ねてきた話が強すぎる。最終回も良い。このアニメはいつも大人の存在感があっていい。
 お父さんが死んで止まっていた時間が今はしっかり動いていることを確認できた。きっとこれからも、皆の時間は当たり前のように進んでいくのだろう。そんな安心を感じさせるのがこのもあぐれっしぶ。


 相変わらず全体的に雰囲気が落ち着いていて破廉恥な要素は皆無なので、老若男女問わずオススメできる素敵なアニメ。