革命機ヴァルヴレイヴ

 面白いときもありつつ、やりたいことは伝わってくるアニメなんだけど、見事に空回りしちゃって、結局つまらなかった。
 でも最後まで見ることができたのでやっぱり基本的には興味深い話だったんだろう。


 つまらなくしていた最大の要因はお脳の足りない、バカな登場人物だらけだったことなんじゃないかな。
 富野みたいに会話を最小限にして最大の情報を伝えたいんだろうけど、あまりにお粗末過ぎるし、人間の動作として考えが足りなさすぎだし、序盤こそまあ子供のバカな行動ということで割り切れるところはあったものの終盤にもなってアホくさい論争やってたのがバカすぎて興ざめだった。
 物語をうまく回せなくなった時、ついつい登場人物をバカとして描写してしまうのは様式美のようなものだけど、仮面ライダーが滝に落ちて助かるような感覚で多用されるときつすぎる。


 ロボット描写もそれほど魅力的ではなく、ちゃんと毎回戦闘もあるし、よく動く上にギミックも個性的なのだけど、カメラワークも含めてなんとなく演舞っぽい。そういうものと割り切ればまあそういうものとして見れた。でもそういうの見たいわけじゃないんだよな。
 どのロボットもカメラの中心に入ろう入ろうとしてる感じが若手芸人ぽくて辛い。


 ロボット以外にも近未来要素がそこそこあるんだけど、ツイッターみたいなのが何度も出てきたりいろいろ考えさせられる。
 マジェスティックプリンスでもニコニコ動画みたいなのあったけど、近未来の世界を作っておきながら見せられるのは現代技術が見栄えちょっと変わっただけみたいなの、20世紀に描いていた21世紀像が実現しなくて諦めた21世紀人ぽくてこれはこれで趣深いね。
 ただ、作り手が未来に冷めた視線送ってる感じがちょっと耐えられない。
 あと、ハッキング描写。まあそういうものと納得すればいい話なんだけど、インターネット完全に掌握してる引きこもりってちょっと危なすぎるな。アニメーター様らしい技術描写ですねとしか。サマーウォーズ的というか。あのアニメもそういうとこが苦手だったな。


 あとは終盤に致命傷が高速で回復するぐらいで化け物化け物ってくだらない論争してるのがやっぱり気になったのでもう少し話を。
 ルーンを集めて〜ってのは間違いなく恐怖の対象なんだが、ほとんど最後の最後まで、どいつもこいつも怪我が回復することしか興味なくて、バカじゃねえのこいつら、みたいな感想しか浮かばなかった。
 これが不死身だったりすると怖いのはわかるんだが、普通に死ぬときは死んでたりする。
 あと敵の言うことをかなりアッサリ信じて仲間を信じないシーンとかもあって、これもうこいつ脳に障害あるんだよそういうことにしなきゃ受け入れられないよ、と困惑しながら最後の方は見ていた。


 セルがベジータに上半身吹き飛ばされた後でも生きてたシーンより視聴者として想像力働かせないとついていけないことが多くて、鳥山明よりも雑な展開には驚くしかない。
 でも地上に降りた後の数話は本当に面白かったんだよね…テーマもけして悪くはないし、単なる駄作とするには惜しい駄作。
 しかしツッコミだすときりがないなこのアニメ。そういうところを楽しむ分には最高のアニメかもしれんかったよ。