アルドノア・ゼロ

 終わってみると割と無難な、ある種手堅ささえ纏ったアニメだったなと思う。
 しかし、人生3周くらいしてんじゃねえかというくらい人類を超越したスペックを持った、イナホ君の強さに関する説得力ある言及が一切無かったのが最後まで気になった。絶対コイツ強くてニューゲームやってるよ。こういうのをただ優秀とか天才という言葉で片付けられるのはたまったもんじゃない。


 そこそこ面白かったけどその面白さの要因は巧妙な引きにあったと思っていて、1クール目の最後なんてその最たる例。あれは酷かった。視聴者の興味を引きつけるためにあそこまでするかと。
 巧妙であり、しかし破廉恥でもある構成だった。
 敵の弱点を見極めてそこを突く戦い方とかは見ていて面白かったが、途中からは予定調和感も出てきて、どうせイナホ君がなんとかするんでしょ?みたいな諦めや呆れにも似た感情が生まれていた。なんというかイナホVSその他って感じの展開に見えることも多かった。
 一応スレインをもう一人の主人公として据えることでスパイスぐらいにはなっていたけど…こいつも感情移入できる面がほとんど無くてイマイチだった。


 嫌いでは無いんだが、今後こういうアニメはあんまり出てきてほしくはないな。作画は安定していて、ロボットもなかなかカッコ良かったが、期待値を上回ることもなく。