2015年7月

 任天堂の社長、岩田聡が亡くなった。
 この報を目にしたときの俺のショックはとても大きく、親族が亡くなったときのように悲しんだ。
 岩田聡といえばゲーム人口の拡大を目指してそれを実現した00年代の活躍が印象的だが、その中でも特に「家庭で邪魔にならないゲーム機を」という思想には当時えらく感銘を受けたのを覚えている。大きくない、静かで、省電力のハード。まさしくそれは大ブームを起こしたWiiだった。ゲーム機が肥大化しどんどんマニア向けのものになっていく中でも、あくまでも独自の思想を貫いた。
 途中、周辺機器を乱発したりと一見思想に反する商品展開も目についたが、それでもあの手この手で家庭にゲーム機をねじ込んだ。もちろんその功績は岩田聡だけのものではないけれど、岩田聡無しでは達成できなかったのではないかと思う。携帯電話ゲーム全盛の現代日本でもまだ家庭用ゲーム機が愛されるのはこの人のおかげと言っても過言ではないだろう。
 考えてもみれば、WiiUほど「家庭で邪魔にならない」ことを追求したハードも無かった。Wiiと比べるとゲームパッドの存在により少し場所をとるようになったが、テレビすら不要とする据え置きゲーム機というのは一つの理想型。WiiU岩田聡の思想を体現したゲーム機としては最高傑作かもしれない。
 次世代機NXがどのようなものになるかは情報が公開されるまで何もわからないが、おそらくは岩田聡の思念が乗った、最後のゲーム機になることだろう。
 この時代に岩田聡は何を思い、何を生み出そうとしたのか。WiiUとはどのように差別化したのか。
 その答えを見るまで、俺の中では岩田聡は死んでいないのかなと思う。
 製品を介してまだ生きている気さえする。
 そしてNXを手にして遊んだ時、本当の意味で岩田聡との別れを実感するのだろう。

英雄伝説 空の軌跡SC(PSP

 SCクリア。the 3rd始めました。
 いやー面白かったねSC。正直こっ恥ずかしい中二病風味のストーリーだが、こういう直球のファンタジーは今だからこそ心にしみるものがある。
 とにかく会話パターンの多さに対するこだわりみたいなのは凄いね。モブの扱いもとてもよろしくて、世界や設定に対する愛情みたいなものが見えてくる。
 SCの終盤の一本道っぷりはなかなかつらいものがあったけど、まあこれもこのシリーズの味みたいなものかな。やたらと道が縛られるのが特徴よね。
 FCの頃はその辺の自由度の乏しい展開と遊撃士という役割に矛盾を感じていたけど、SCを終える頃にはそういった矛盾も感じなくなっていた。その場その場で自分にできることをやろうとすると、自ずと道は定まってくるってことね。
 そういや冒頭で言った通りthe 3rdやってるんすけど、これ前からなんでthird chapterじゃねえのかなあと思ってたんすけど、確かにFCやSCとは全然違う風味でいわゆる外伝みたいなゲームなんすね。具体的に言うとスパロボαに対するα外伝みたいな、ちゃんと続き物なんだけど同じような感覚では遊べないみたいな。予想外の新鮮さで驚いてますわ。

ヨッシーウールワールドWiiU

 現在ワールド3。
 面白い。可愛い。ヘイホー可愛い。出来はいい。
 でもさー、なんか足んねーよなー。
 いや、足りないわけじゃないんだよな。そもそもこの方向性が予定調和なんだよ。収束すべきところに収束するだけなんだよ。
 毛糸の描写や解釈は素晴らしいとは思うけど、結局はヨッシーアイランドフォロワーなので、すぐに目新しさが無くなっていく。毛糸のカービィは独自路線で良かったんだが…
 もうヨッシーアイランドを追いかけるのはやめようよ。敵うわけ無いよ。各所で絶賛されたこのゲームだって例外ではない。
 あと収集要素やたらシビアすね。元々収集要素嫌いだけど、ここまで完全クリアする気を無くさせるゲームもなかった。
 重箱の隅をつつくような探索をしないとまず初見でパーフェクト無理だからね。ちょっとやらしすぎでしょこのレベルデザイン
 でもまあ、初代アイランドみたいに一発100点をとったりする必要が無いのは救いではあるのかもな。