乱歩奇譚 Game of Laplace

 江戸川乱歩没後50周年企画。
 江戸川乱歩作品を原作としたアニメではなく、その雰囲気やキーワードだけ借り物でもらってきている感じ。
 時代設定は現代で、パソコンやスマートフォンが普及した上で起こる犯罪が描写されていました。
 とにかく風刺の効いた、トガッたアニメではありましたが、その独特で不気味な空気は非常に魅力的でした。特に最初の人間椅子が良エピソード過ぎます。
 中盤までは最高に楽しめたんですが、終盤の数式云々のくだりが出てきたあたりで雲行きが怪しくなり、締め方としてはイマイチなものになっていたと思います。
 数式で世の中を構築するというテーマを捌ききれなかっただけ、ともいえるかな。
 世の中が数式と同じように動かせるなら、人々の行動も必然的に数式のように単純化、抽象化されてしまうでしょうが、そうなってくると人間味も無くなってくる。不気味さの演出という意味ではいい感じなんですが、あまりに不気味過ぎて人が生きる世界にさえ見えなくなってしまっていたのはどうなんかなと思います。
 それはそれとして、コバヤシ少年は夏アニメ最萌えでしたね。
 このアニメのスタッフはいい趣味してやがります。