カープ、全日程終了

 144試合 65勝75敗4引分 借金10 5位 12年連続Bクラス
 今年も終わってしまった(まだ試合が残っているチームはあるけど)。
 思えば希望の少ないシーズンだった。

2009年というシーズン

 去年Aクラス争いをした程度で喜んでしまったのか、今年はシーズン開始前に大した戦力補強もなかった。フタをあけてみれば、四番が打てない、打順が安定しない、得点が入らない。今年も貧打に泣いた。頼みの前田は結局一度も一軍に上がってこなかった。シーズン途中にマクレーンやフィリップスを獲得したところから見ても、認識の甘さが露呈したシーズンだったと言える。
 そんな中でも天谷、末永、赤松、廣瀬といった、今まで控えに甘んじることの多かった外野手勢にとっては躍進のシーズンだった。悪い点ばかりではなかった。投手についても、大竹はやや不安定ながら結果的には過去最高の成績を残し、前田健太や齊藤はシーズン通して先発ローテを守った。シュルツも73試合に登板して防御率2.28と中継ぎ陣を引っ張り、永川も不安定ながら3年連続の30セーブをマークした。個人単位で見ていくとそこまで悪くも見えないシーズンではあった。
 しかしながら投打がかみ合わない試合が多く、とても去年以上の成績が残せるような状態だったとは思えない。
 ヤクルト、阪神といった借金チームにまぎれて3位を狙おうとしている時点で俺はもうなにかカープが力尽きていた気がした。今年は辛かった。最初から最後まで辛いシーズンだった。
 まあ今年に限らず、ぶっちゃけキツいぜこれだけBクラスの期間が続くのは。どうせ他球団ファンにはわからん辛ささ。いつになったら終わるのさ。そろそろで阪神の暗黒時代を超えそうさ。

みんなの緒方

 緒方孝市が引退した。
 野村や佐々岡が引退したときはそれほど時代云々がどうとは思わなかったんだが(泣いたけど)、緒方の引退には一時代の終わりを感じざるをえなかった。
 俺ぐらいの世代だと大体物心ついたころの広島には緒方がいたはずだ。人気選手らしい派手なパフォーマンスは少なかったが、苦しい場面を何度も助けてくれた、頼もしい選手だった。ケガは多かったが、なんだかんだで毎年必ず一軍で元気な姿を見せてくれる人でもあった。
 晩年は全盛期と比べて衰えたと言われていたしそれは成績にも現れていたが、しかしそんな状況でも負けん気の強さでチームを引っ張ってくれた。

人に負けたくない。この世界でなんとか成功したい。そういう想いで一生懸命バットを振って、がむしゃらに練習してきました。
常に全力で、試合が終わればユニフォームが真っ黒に。そんな選手でありたいと最後の最後まで思っていました。
気が付けばそのユニフォームが汚れなくなり、そして走ることも守ることも自分の思うようなプレーが出来なくなったと感じ、引退を決意しました。

緒方孝市選手 引退試合 〜私たちは忘れない〜


 引退セレモニーでの言葉から見てもわかるように、とにかく一生懸命に頑張る人で、足りない部分を努力で補おうとする、人として見習いたくなるような一本気な人だったね。またそれは40歳になった今年だって例外ではなかった。
 顔も整っているわけで、もし巨人にでもいれば、広島の比じゃない待遇で、一種のスター選手のような扱いを受けた可能性だってある選手だけど、最後まで愛着という言葉を口にして広島にプロ野球人生を捧げてくれた。
 こんな人、今後出てくるとは思えんわー。
 最終試合のプレーも例外ではなく、最後の最後まで全力で、代打での出場にも関わらず二度もヘッドスライディングをしてくれた。最後のタッチアウトは、途中で力を使い果たしたようにも見えたが、それは緒方にとって持てる全ての力を出し切った、納得のいく全力勝負だったのかもしれない。
 印象的な引退試合だったと思う。
 引退試合が印象的でない人はいないだろうが、緒方のそれは、緒方孝市という選手の全てがそこにあった、素晴らしい引退試合だったな。
 終わってしまったんだな・・・

さらばブラウン

 ブラウン監督もまた今シーズンをもって退団する。
 ブラウン監督については今年は特に酷く采配が批判されていたし、擁護のしようが無い采配は確かに多く見られた。
 しかし、ブラウン体制になってから良くなったことも多い。特に5年前からは想像できないぐらい若手が出てきて、特に投手陣が見違えるほどに成長した。投手陣の整備は過去10年間の最大の課題だったので、そういう背景を見る限りブラウン監督の残したものはとても大きな財産だと言える。
 なんだかんだで広島のことを好いてくれていたようだし、好きな監督ではあった。
 助っ人外国人への露骨な贔屓さえ無ければ、もう少し長く広島にいられたかも・・・気持ちはわかるんだがね。
 俺は好きだよブラウン。
 つか基本的にカープを強くするために頑張ってくれた人を嫌いになることは無いよ。



 いなくなる人が多いためか、考えれば考えるほどはっきり言って辛いばかりなんだが、収穫が無いわけではない。
 マツダスタジアムが完成したこともあって多くのファンが球場に足を運んでくれるようになったし、個々の選手も成長したし、来期が楽しみだ。
 もう毎年の決まり文句ですが、来年はぶっちぎりで優勝するんで、他球団のファンの人とか覚悟しといた方がいいすよ。