めしばな刑事タチバナ
めしばな刑事タチバナ 1 [立ち食いそば大論争] (トクマコミックス)
- 作者: 坂戸佐兵衛,旅井とり
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/03/30
- メディア: コミック
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素晴らしい、ここまで俺の味覚に寄ってくれた食関係の媒体は見たことがない。いや俺に寄っているのではなく、登場人物に固有の嗜好を与えて論議させ、決定的な結論を導き出さない(なあなあで終わらせる)ことで大多数の人間の味覚を表現してくれているのだろうか。
「味覚音痴である」と自覚していた自分の味覚が肯定されたような気になったのは初めてだ。優しさを感じる。母性を感じる。
いわゆる「B級グルメあるある」を延々語るだけの漫画で、刑事である必要性なんてほぼ皆無なんだけど、「でも刑事ならB級グルメ好きだよね」という妙な説得力があって、はまり役になっており面白い。有名な飲食チェーン店はもちろん、缶詰からインスタント麺まで、独身男性が好むB級グルメを誰よりも堪能しているのは、もしかすると刑事という人種なのかもしれない。
一方的な価値観を押し付けられるタイプではなく、B級グルメと分類される食べ物それぞれのもつ個性を雄弁に語る漫画でした。
とりあえず、マルちゃん焼きそば談義が自分の嗜好を読みきったかのような内容で、読んでいて思わず声が出ました。
今まで言葉にしたことがない、いや考えたこともないマルちゃん焼きそばの存在価値について改めて考えさせられました。そしてそれはとても大切な存在だったのだと。気付けばいつの間にかマルちゃん焼きそばを買っていたのは偶然でもなんでもなかったのだと。
普段の(偏った)食生活をまた新しい角度で見ることができ、目からウロコでした。
より個人的な話ですが、関東に来て間がないので、関東にしかない飲食関係のチェーン店を知るパンフレット的な媒体としても重宝しています。
関東人にはわからんでしょうが、東日本にあって西日本に無いチェーン店ってたくさんあるんですよ。興味を持つきっかけになって良い感じ。
ああしかしこの漫画はかなり面白い。
独身男性のバイブルにすらなりかねない。