アサシンクリードII

アサシン クリードII【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360

アサシン クリードII【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360

 クリア。

 今世代を代表するタイトルの一つに数えて良い傑作でしょう。溜まりに溜まってきた技術やアイデア、モチベーションが一気に爆発した結果、素晴らしいものが生まれたようで。
 やや電波気味なストーリーや最後の最後一番盛り上げなければならないシーンでボコボコ殴るだけの単純作業をさせた詰めの甘さなど、気になる点が無いわけでもありませんが、その辺が適当なのはこのゲームに限ったことでも無いので許容範囲。

 荒削りなものの際立った魅力を備えたアサシンクリードを、こうも正しく緻密にグレードアップさせたスタッフの手腕には感服するばかりです。ゲームシステムと人物一人ひとり一つ一つの挙動がうまい具合に融け合い混ざり合い、より自然な世界が表現されていました。アサシンクリードが表現しようと目指したものは変わらず、しかし確実により良くなっている。見事な続編です。

 アクションが膨大に増え、一作目以上に大雑把でダイナミックな暗殺が可能になり、非常に派手になりました。ある程度の適当プレイを許容しつつ、根っこは暗殺という、一見相反する要素を見事に共存させています。敵の体力は可視化され、RPGっぽい要素も取り入れ、難易度も目に見えて下がっており、間口が広い。もう洋ゲー=高難易度とは誰にも言わせない。その上で、様々なプレイスタイルを容認させるシステムがうまく機能しています。
 一作目もオープンワールドではありましたが、あまり多くのプレイスタイルを容認するようなレベルデザインだったとは言いがたく、IIと比較すると作業感が強かった気がします。景観を楽しむゲーム以上のものではなかった。

 IIも景観は素晴らしいものがあり、ヴェネツィアの景色なんてうっとりものでしたが、それ以上に素晴らしいのが暗殺の道のりが一本道でないこと。侵入ルートや暗殺手段をいろいろ考えるのがとても楽しく、またそれをプレイヤーに委ねてくれる、寛大なレベルデザインでした。
 人によってプレイ内容が変わるかどうか、というのはとても重要な要素。誰がやっても同じになるなら、それはほとんどゲームである必要が無いわけですね。

 まあ何はともあれ、やっぱオープンワールドはいいっすね。どこまでも化ける可能性があって、ワクワクする。
 ふと油断すれば積み上げてきたものがぶっ壊れてしまう繊細さも含めて、オープンワールドが愛しいんだな。