フルメタル・パニック!
戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (1) (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 賀東招二,四季童子
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 1998/09
- メディア: 文庫
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漢数字シリーズやサイドアームズも、アニメ化された巻についても全て読みました。
いやー、なんでこんなに面白いのに最後までアニメ化できないんだろうね。もったいない。
アニメ視聴時に感じた違和感が小説でしっかり補完(といってもこちらが原作だが)されていたので、アニメ化された箇所を改めて読むのも発見があって良かった。
一番好きなのは「つづくオン・マイ・オウン」。
特にこの巻以降がそうなんだけど、別れの美学みたいなものが随所に見られてとても良かった。明確な決意をもって別れを告げるシーンとか最高です。フルメタのテーマとして一番わかり易いのが離別じゃないかな。
若干ネタバレだけど具体的に言うとアルに別れを告げるシーンが最高に良かった。あそこだけでも映像化されたものが見たい…
自分は再会の話より別れの話が好きで、「さようならドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」を比べたら絶対「さようならドラえもん」の方が価値があると考えるタイプの人間なので。
再会があるから別れが映える、みたいな話もあるのだろうけど、フルメタではそこもまた最終巻で突っ込まれていた感じが良かったな。再会できたかできなかったかは重要ではない。でも、再会出来たらそれがベストなんだな、というのもまたよくわかった。
周囲の人間を騙し騙し生活していく行為は誰しもやっていて、いつかそういう行為も無理が来る。
当たり前のことなんだけど、その当たり前がちゃんと描写されているのも良かった。自分にも照らし合わせるところがあって余計感情移入ができた。
普通に考えたらわかる「当たり前」に正面から向き合った感じがとても印象良く、アーム・スレイブの設定なんかも非常に興味深く読ませてもらえた。
文体もライトで読みやすく、ラノベ入門としても使えそうだ。
この手の長編シリーズ物小説は読んだことがなかったが、さすがに10年の月日が流れているだけあって著者の文章スキルが目に見えて向上しているのもまた面白い。
根っからの活字嫌いだったため、Kindleが無ければ一生結末を知らないままだったかもしれないが、そういう意味ではKindleに救われたかもしれない。
アナザーも見ます。本当に面白かった。