艦隊これくしょん -艦これ-

 フワッとした世界観、フワッとした目的、フワッとした提督という存在。
 もうね、全部提督の見た夢だったというオチが一番良かったと思うんすよ俺は。こんなぼんやりした内容では良いも悪いも無いのよ。
 息吹というか生命力というか、そういうものを微塵も感じないアニメでした。
 貝はいる、蛇はいる、でも人間はいない。艦娘は船。提督は一切姿を見せない。艦娘は戦わなければならない、深海棲艦が攻めてくるから。深海棲艦から海を奪還するため。
 何故?必要なのかそれは?お前たちは陸地で楽しくやってるじゃないか。船のくせに、陸で生活できているじゃないか。今更海を取り戻す意味はなんなんだ?そもそもその水上スキーは必要なのか?そもそもなんで船のくせに建物内を歩いているんだ?提督に自分から会いにいけるんだ?


 数多の疑問に一切答えてくれない不親切さと、投げやりな、フワッとしたノリで最後まで突き進んだところはとても擁護できませんでした。
 「私達を縛り付ける何か」ってなんだよ、もう少し具体的に言えよ。はっきり言えよ。
 いろんなことを避けた結果、何も言えない、何も出せない。ただそれっぽい特訓と、それっぽい成長と、それっぽい伏線と、それっぽいハッピーエンドを見せただけ。
 艦娘なんていう、摩訶不思議な存在を受け入れるには世界に生命が宿っていなかった。生きていない世界を1クール見せられた視聴者の心境はこんなもんです。


 続編ではそれこそなんでもいいんで、「何か」をちゃんと見せて欲しいなって感じです。なんつうかなんにも無いアニメでした。
 でも、こうして終わったあとにいろんなことを語りたくなるような、そういう魅力は確かにあるアニメでした。
 巷で言われるほど物凄く悪いアニメとは思いませんでしたが、何の山も谷も無いまま終わってしまったことは悲しいかな。