SHIROBAKO

 アニメ製作現場の日常を描いた物語ということで相当鬱な話なのかなと思って最初は敬遠していましたが、エンターテイメント重視の内容だったので割とスカッと見ることができました。
 アニメ製作というものには関わったことが無いですが、ものづくりをしてお金を貰っている身分としてはシンパシーを感じるところも多く、しかし登場人物が皆それぞれに大志とか野望を抱いている感じが、とても眩しくて、良かった。
 昇給とか昇格とかそういうものではなくて、凄いアニメを作りたい、皆でアニメを作りたい、という単純で純粋にして途方も無い目的を、皆いつまでも持ち続けている姿がとても美しかった。


 実際はこんなになんでもかんでもうまく行くことも無いし、損害賠償レベルの話に発展したりするのがものづくりの日常なので、結局同じようなことをしたいとまでは思えなかったりするんですけど。でも、そうありたいとする、そうあるための道標は持っておきたいなと思えるような、そんなアニメ。
 まあなんつうか若者に対する自己啓発的な内容ではあったんですけど、目標を持って熱心に努力する姿というのは悪くないものだよ。
 俺も仕事してて、この人冷めてるな〜って思うことあるけど、そういう人はまあそういう程度の仕事しかしないもんな。
 別に仕事に限らずね、人の魅力ってのは熱意とか熱量に比例すると思うんすよね。そう確信させてくれるアニメだった。
 アニメ製作の工程もざっくり素人が理解できる程度には豊かに描写がされていて、それでいて説明的でないのが良い。


 登場人物が無茶をして、それで結果的に成功するアニメなのでリアリティが無いというか、あまりに理想や願望が混じった内容である点は少し気になったものの、登場人物が皆それぞれに大きな夢とか野望があって、そこを目指しているから多少の無茶に納得もできる。当人だけでなく視聴者も。
 無茶をして成功体験を得る創作物とか結構ありますけど(なれるSEとか)、やっぱり具体的で大きな夢が無いとその体験って空虚だと思うんですね。
 そういう地盤がしっかりあった、いいアニメだったと思います。


 ああそうそう、このアニメ女の子が皆可愛くてやばいんすけど、絶対皆彼氏いるよね。ずかちゃんだけはいなさそうだけど、他は皆いると見た。
 そんな俺は宮森が好きです。男だと大倉さんが良かったな。あんな生き方に憧れるよね。