タブー・タトゥー

 もったいないアニメだねこれ。
 恵まれたキャラデザから無味乾燥の物語、魅力に乏しいキャラクター、寒い台詞、滑りまくりのギャグ。
 原作を詰め込み過ぎ端折り過ぎという意見もあったけど、多分それはあんま関係ないんじゃないかな。
 むしろ改悪とかそういう声が無いのが不思議でならないというか、え、これ原作も大筋一緒なのかよ、みたいな残念感が場を支配してくれる。


 魅力に乏しいとは言ったが女の子の可愛さは文句なし。あとは作画くらいしか見どころが無いアニメだったかな…でもその作画はかなり良かった。
 作画はやたらとこだわりがあったので、中身の無い物語でも飽きは来なかった。回り込み作画の多さは趣味かなにかだろうか。脳を空っぽにしてアクションシーンを楽しむ分には結構良いですよこれ。このアニメ1クール分だけでアクションシーン集1時間分くらい作れるかも。言うても中盤くらいで若干力尽きた感あるけど。
 あと異能力物なのにその能力がいまいち伝わらない。能力バトルとして全く魅力が無いのは反省点だったかなと思います。


 しかし、主人公サイドは頑なに不殺を貫く(あるいは殺し損ねる)のに、敵さんは懲りずに何度も主人公サイドを襲ってきて、主人公サイドはどんどん死んでいくのは理不尽すぎて結構笑えるんだが、いややっぱり冷静に考えると笑えねー。普通に胸糞悪いっす。
 一番良くなかったのは主人公がずっと感情的に行動してそのままラストシーンまで突っ走っちゃったとこですかね。
 この子、得るもの少ないのに失うものばかりでかわいそうな主人公だなと思います。結構大人達にいいように利用されたりね。玩具みたいな扱いかも。
 対等な立場として見てくれるキャラが例の幼馴染だけだったので、本当につらいね。
 視聴者からもヘイト集めちゃって、ほんとこの子は何のために生まれてきたの?という悲しい問いかけをしたくなります。さすがに原作ではフォローあるんでしょうけど。あるよね?