メイドインアビス

 積み消化。
 放映当時からキツいエグい言われてて、ほんまかいなまたどうせアニオタどもの過剰表現やろ、若造どもはすぐ大げさに話すんじゃけえ、と高をくくっていましたが、終わってみると確かに直視が辛いシーンがそこそこあってキツかったです。
 とはいえ、肉体の損傷を伴う類の直接的なキツさ以上に、どちらかというとその先で精神が摩耗するような類のキツさを強く感じました。
 でも同時に美しかった。それは背景等素晴らしい作画によるものだけでなく、アビスの生態系や、深淵に魅せられた人々の生き様によるところもあったと思います。
 また、そういった無慈悲な世界の中でふと表面化する主要キャラクターの心がとても優しくて暖かく、摩耗した精神に対して必要以上の安心をもたらしてくれました。飴と鞭とでもいうか、妙な中毒性がありました。それゆえに訪れる悲しみもまた良い味が出ていて、心臓に楔を打ち込まれるような衝撃を感じさせられました。
 一つ一つの要素は特別新しいものではないように思いましたが、先が気になる、先を見ずにはいられない、手を伸ばさずにはいられない。冒険心を掻き立てられるような感覚がとても心地良かったです。
 10話と13話がお気に入り。
 とりあえずマルルク君がめっちゃ可愛かったです。久々に男の娘でキました。明言されませんでしたが男の娘ですよね?まあ仮に女の子だったとしても詮無きことです。キてます。マルルク君キてます。